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イントロダクション

2020年のロンドン。

ロンドン塔からワタリガラスの群れが飛び立つと、塔が粉々に崩れ落ち、イングランドが厄災に襲われるという伝説がある。
人類が科学への依存を増し、科学で定義できるもの、作り出せるものだけを信じるようになるにつれ、古来の知恵や儀式は遠い過去に置き去られ、忘却されていった。古から次代への警告として語り継がれてきた予言は、時代遅れな妄言、無知な迷信と受け取られるようになった。ゆえに、災いの前兆が現れ始めても、異変に気づく者はほとんどおらず、ましてや災いの前兆と確信する者は皆無に近かった。

ついに悪魔たちが到来するときになっても、それを食い止める手立てはほとんど何もなかった。
至る所に開いたヘルゲート (地獄の門) と亀裂。
途方もなく渦巻くカオスの中から、この世に侵入してきた悪魔たちは、すばやく、組織的な攻撃で人類の防御を打ち破っていった。
いちかばちかで核兵器や生物兵器を用いて対抗しようとした国もあったが、滅亡までの時間をわずかに延ばせたに過ぎなかった。
人類の軍司令官たちにとって、悪魔たちの攻撃は戦略的な軍事目標を定めうる性質のものではなかった。従来の戦争で使われてきた戦術は、まったく役に立たなかったのである。

だが、人類としての誇りを捨てず、これら暗黒の侵略者たちに立ち向かおうとする者たちもいた。古くから伝わる神聖な秘密の儀式を守り続けてきた者たちである。彼らには、祖先から受け継いだ武器と呪文があった。だが、彼らが収めた戦績は局地的かつ散発的なものであり、国家レベルの軍隊には理解もされなければ、受け入れられることもない、荒唐無稽な戦略によるものだった。
途方もなく強大な力を持ち、人類の通常兵器にはびくともしないと思われた悪魔たちではあったが、この者たちの超常的な対抗方法を無視するわけにいかなかった。やがて、これらの悪魔との戦闘方法を祖先から引き継いだ者たちは、悪魔たちを追い返すことによりできるだけ多くの同胞の命を守ることを最優先と考え、それに専念し始めた。そして彼らは避難所としてロンドン地下鉄に生存者たちを率い入れる。ロンドン地下鉄は、彼らの先達が建設に関わっており、悪魔を寄せ付けない聖域として機能するように作られていたのである。

一世代が過ぎた今、かつて華やかに栄えたロンドンは広大な廃墟と化している。
邪悪な力によって完膚なきまでに引き裂かれた人類の営み。その遺物が節くれだって倒壊崩落しており、地平のかなた、永遠に明るさを失った空にヘルゲートが溶け込むあたりまで続く。
筆舌に尽くしがたい壊滅的打撃を受けたのはロンドンだけではなく、全世界が悪魔たちに侵略し尽くされた。あれほどの力を持っていたはずの人類の国家がことごとく滅亡し、悪魔たちの、今後数十年のうちにこの世界を自分たちの世界へと変容、同化させようとするプロセスが始まった。それは「ザ・バーン」と呼ばれた。

このような状況下にあっても、人類はなんとか生き延びようとしている。
かつて自分たちが支配していた世界の影に人々が身を潜め、困難に立ち向かい、制圧者たちへの反撃を心に期しながら。彼ら生存者たちは団結を固め、学ぼうとしている。

悪魔たちに察知されずに移動する方法を。

敵の底知れぬ防御力をもろともしない武器を作り出す方法を。

忘れ去られた神秘の魔力を駆使する方法を。

悪魔たちを殺し、ヘルゲートを閉じる方法を。